スチームパンクな木製宝箱をつくる作業工程解説、今回は真鍮金具腐食加工編について各工程をわかりやすい写真とともに詳しく解説いたします。動画もあります!
スチームパンクといえば、まず外せないのが真鍮というマテリアルですよね。レトロフューチャーに思いを馳せながら、クラフトを楽しみましょう!
今回は「真鍮金具腐食加工編」ということで、エッチングや切削(せっさく)、曲げなど真鍮加工を行っていきます。
図案書き出し
まずは図案を作っていきます。
「GIMP」というフリーソフトを使用している時期もありましたが、現在は「illustrator」を使用しています。さすが専門ソフト。サクサク図形を作ることが出来てとても楽しいです!
イメージの赴くままに金具モチーフの図案を作ります。
結論からいうと、輪郭は単純な形がオススメです。ここからは、複雑な形を作ってしまったがための地獄をご覧いただきましょう…!
ちなみに今回は、カッティングシートを用いたエッチング法です。フォトペーパー法に関しては、別の機会に試そうと思っています。
カッティングマシンでシートをカット
図案をアウトライン化し、印刷機でカッティングシートをカットしていきます。
今回は角金具を上下それぞれ四隅、計8枚作ります。便宜上、真鍮の両面に貼るので倍の数(+予備1組)をカットしています。
極小のカッターがシートを高速で切っていくのが分かります。見ていて気持ちがいいですね。
極論になりますが、シール状のシートをハサミやデザインナイフで切っても原理上は同じものが作れます。一点モノならそれで作ったりもします。
カッティングマシンは馴染みのない機会かもしれませんが、どんな形も切れて重宝します。ネットで調べてみると、家庭用のものは3万円台からあるようです。
シート処理(模様部分の抜き出し)
出力が終わったので、シートの下ごしらえに移ります。
複雑な模様を描いた人は地獄その①です(´Д⊂ヽ腐食する部分のシートをひたすら抜いていきます。
ちま…ちま…
地味!!!
好きな音楽でも聴いて、リラックスしながら作業してください。もしくは、シンプルな模様に変えてください…(笑)。
ちなみに、指にマスキングテープなどを巻いておくとゴミ集めが楽ちんです。
シートのカットにも個体差があります。多めに作って、キレイなものを優先的に使えるよう印をつけています。実際、裏面のシートはなくても構いません。ただ、今回は複雑な輪郭なのでひっくり返して真鍮をカットすることを見越し、裏に同じものを貼ります。
続いて、エ周りの不要な部分を取り除く工程です。
本体が剥がれないよう、カッターで押さえながら…慎重な作業。
地味な作業が続きますが、作業とは概して地味なものです。これを耐えた者のみが創作の神に愛されるのです。
って、いつも自分に言い聞かせていますよ!
リタックシート貼り
リタックシートとは、粘着性の低いシールのようなもの。
なくても構いませんが、確実にキレイに貼るためには必要な作業です。リタックシートにカッティングシートを一旦移します。
特に今回のように細かいパーツは、手で真鍮板に貼ろうとするとどうしても歪んだり曲がったりして上手く貼れません。そういう場合に、リタックシートごと真鍮板へ貼ればシワなどもなくキレイに仕上がるというわけです。
空気が入るとヨレの原因になるので、スキージーや布などで気泡を押し出します。
シートを一枚ずつカットして完了です。
カットせずそのまま真鍮板に貼ってもOKですが、張り直しはきかないので注意です。シート自体を丁寧に切る必要はありません。むしろ、なるべく広い面積が残るように切ってください。
真鍮板にカッティングシートを貼る
いよいよ真鍮板の登場です!
前置きが長かったですね…。さっそく、リタックシートごとカッティングシートを貼っていきましょう。なるべく真鍮板のロスが出ないよう、端から詰めて貼ります。
シートが真鍮板にしっかりと貼りつくよう、よく爪などで擦ります。心配な人は、シンナー系の薬剤で脱脂してから行いましょう。
リタックシートだけを丁寧に剥がします。低粘着とはいえ、カッターなどを使い慎重に作業しないと、せっかくのカッティングシートをリタックに持っていかれますのでご注意を。
ここまで来て…ようやく準備が整いました!
真鍮板カット(ハサミ)
真鍮板は、切削とエッチングの手間を考慮して0.3mm厚を使用。個人的には、かなり扱いやすい厚みだと思います。
そしてそれをいきなりハサミで切っています。よい子は真似しないで「金バサミ」を使ってください!撮影直前に金バサミを紛失してしまったため、やむなく普通のハサミを代用しましたが、意外と切れますね。駄目なんですが。
ちなみに、もしも普通のハサミを使った場合は、アルミホイルをチョキチョキすると刃が多少復活します。多少。
0.3mm厚の真鍮は、切りやすく、手でも簡単にねじ切れます。この柔らかさが、古くから加工材として愛されてきた所以の一つです。
ハサミでも切れるので、カッターでもいけます。こちらは消耗品なので、こまめに刃を折りながら使えば問題ありません。
始めは優しく、徐々に力を込めて切ります。紙などに比べて指を怪我するリスクもかなり高いので、気を付けて行います。10回ほど刃を通したら、指で折って切ることができました。
裏に同じ形のシートを貼る関係で、ここでは先端や直線部分のみ型出しするような感じでカットしています。この無限カットタイムが、地獄その②(´Д⊂ヽです。怖いですね~ずっと続きます…。
カットの際に歪んだ真鍮はハンマーで叩いて平らにする
カットした真鍮は指や刃で歪んでいるので、一度ハンマーで叩いて平らにします。真鍮は展延性に優れているので、あまり叩きすぎると延びて薄くなってしまいます。
歪みを取ってあげる気持ちで、優しく叩いてください。
真鍮板の裏面にもカッティングシートを貼る
裏面にも同じく準備したカッティングシートを貼っていきます。それはこのあと裏表を細かく確認しながらカット作業をするためです。
簡単な形であれば不要な工程ですが、ここは敢えてこんな方法もあるよというご紹介を兼ねてやっています。敢えて!(。-`ω-)
先ほどのように、再びハンマーで叩いて…。
真鍮板カット(糸鋸)
手動糸鋸の登場です。こちらはGrobet USAというブランドのスイス製フレーム、SUPER PIKEの鋸刃を使用しています。
刃は、木材用のものと比べてもかなり目が細かく、アクセサリーなど繊細なカットを必要とするものにも対応していますよ。
ただ、当然ながら真鍮は木材より硬く、ちょっとした引っ掛かりで刃が止まってしまったり、簡単に折れたりします。
根気よく、丁寧にカットしていきましょう…。
ちなみに。使用している糸鋸の台はSPFの端材にホールソーで穴を開け、ジグソーでV字にカットを入れたお手製の台です。市販もされていますが、お手製のものでも充分です!
キレイに切り出せました!
マスキング
エッチングの前に、マスキングをします。
裏は完全にマスキングしてしまうので、裏シートお役御免です。裏のマスキングを切って折り込んでもよし。細く切っておいたマスキングを貼っていくのもアリです。
とにかく、模様の部分以外は完全に隠れるようきっちりとマスキングしてください。どうしても上手く貼れない部分に関しては、油性マジックで塗りつぶせば大丈夫です。
地味作業はそろそろ終わりです!
おつかれさまでした!
腐食液準備:エッチングのための4種の液体を準備
さて、いよいよエッチングです!
腐食に使う4種類の液体「腐食液、重曹、漂白剤、水」を準備しましょう。それぞれの液体を入れる容器も4つ用意します。
腐食液:塩化第二鉄液(FeCl3)
言わずと知れた腐食液、塩化第二鉄液(FeCl3)です。
この液体に触れると、金属が腐食します。この状態だとまだ有害ではありませんが、必ず手袋をして扱いましょう。画材屋さんかネットショップで入手できます。
また、容器は必ずガラスかプラで!
重曹
真鍮の腐食を止め、中和する重曹です。
ホームセンターや100円均一ショップで手に入ります。水溶液をつくり、腐食の終わった真鍮をダイブさせます。予め作っておくと安心です。
漂白剤
追加で、経年加工に使う漂白剤です。
こちらもスーパーなどで買えるものでOKです。
水
真鍮を洗う用に水も用意します。
100均で4つセットのプラ容器を買ったら、4種類の液体の準備にピッタリでした。
エッチング作業
いよいよエッチング開始!
まずは40~50℃のお湯を用意します。室温でもできますが、腐食が活発になるのはこの辺りの温度です。
たまたま電熱器を発見したので使いましたが、それ以前は使い捨てカイロを使ったり、鍋でちょこちょこ火を入れながら湯煎していました。さて、真鍮たち一斉に腐食液へダイブ。シロクマさんも見守っています。
ときどき、容器を揺すったり真鍮を裏返したりします。
金属を含んていない液を循環させ、効率よく腐食させるためです。
本当はこんなにまめに揺すらなくてもいいのですが、つい腐食液をケチってしまった関係で、こうしないと全体が液に浸かりません(笑)。
ここから一時間ほど腐食させていきます。溝の深さは好みなので、たまに確認しながらベストなタイミングを見極めます。
さて、そろそろですかね…。
真鍮の引き上げ
腐食の具合もよさそうだったので、ちょうど一時間で引き揚げました。真鍮を重曹水に入れると勢いよく発砲します。この発砲が中和のサインです。
泡が収まるまで、しばらく箸などでかき混ぜて中和を進めます。
真鍮の洗浄
泡の発生が一通り終わったら、今度は真鍮を水ですすいでいきます。
中和は終わりましたが、ゴム手袋で作業を続けます。真鍮からは腐食液と重曹の混じったものが落ち、水が濁っていきます。この水にも有毒物質が少なからず残っているため、廃液処理に回します。
廃液処理に関しては、別の動画で改めてご紹介しようと思っています。併せてご覧頂ければ幸いです。
乾いた布に引き上げ、水分をしっかり拭き取ります。
廃液の一時的な処置
廃液処理ですが、毎回行っているわけではありません。腐食液も繰り返し使えるので、基本は捨てません。中和に使った重曹水や真鍮を洗った水は毎回捨てるので、それらはひとまず、蓋のできる容器などに保管しておきましょう。
今回の作業では、容器に残ったカスや重曹を箸でこそぎ廃液容器に移しています。
洗いに使った水も、沈殿物が残らないように容器に移します。廃液は、もう少し溜まったらまとめて処理すれば大丈夫です。
腐食液は容器の蓋がしっかりしていればそのまま保管できます。次のエッチングまで、安全な場所に置いておきましょう。
マスキング剝がし
ふう、ヤマを越えました。さてお次は、マスキングを全て剥がしていきます。
水は新しいものを汲んできました。カッティングシートの下から、キレイな真鍮の輝きが覗いていますね。上手く腐食しているか、毎回ドキドキしながらやっています。
全て剥がし終えました。
ムラがあるように見えますが、このあとの作業で見違えます!
スミ入れ
腐食部分に色をつける工程です。
まずはメタルプライマーをかけます。溝に上手く入るよう、向きを変えて二回拭きました。間隔は15分ほど空けていたと思います。
黒のラッカー塗料でスミ入れをします。
本当はうすめ液で溶いてから塗るつもりだったのに、うっかり直吹きしてしまいました(笑)。案の定、スミが乗らなかったので塗り直します。
しかし、またしても、うすめ液を忘れていますね。疲れてるのかな…。
塗るというより、筆を軽くトントン動かしてたっぷりとスミを置きます。
はみ出しても全く構いません。むしろ、塗り直しは面倒なのでジャバジャバのせてください。しっかり乾いたのを確認したら、次に移りましょう!
研ぎ出し
さて、お待たせしました!研ぎ出しです!!
真鍮の研磨には耐水ペーパーを使います。今回は#240~#1500番を段階的に6枚ほど使います。
水に浸して、まずは#240から。この時点で、落としたい部分のスミは全て落としてしまいます。少し力を入れ、しっかり研ぎます。
木片などの平らな面を当てて研ぐとキレイにできます。逆に、指など丸みのあるものは、せっかく入れたスミまで削ってしまうのでやめましょう。
だんだんと余分なスミが落ち、狙った模様が浮き出てきます。ここが一番楽しいかもしれません。
続いて、#400、#600、#800、#1000、#1500…。
一番粗い番号が終わったら、あとは力を入れず優しく研ぎます。
見違えるような輝き!
研ぎ出しが完了しました。キレイですね~!
経年加工
この時点でも充分ですが、せっかくなので少し古びた感じを出したいと思います。
方法は簡単。家庭用漂白剤に浸けるだけです。
少しずつ色が濃くなっていくのが分かるかと思います。好みですが、自分は1分半がちょうどだと感じています。
ちなみに、こいつらは浸け時間が長すぎたせいで黒ずんでしまいました…(笑)。研ぎ出し時に使った水なので黒いですが、左はただの水道水です。さっと通して乾拭きすれば完成です。
この工程を踏まず、ピカールなどコンパウンドで仕上げるのもアリです。その場合は光沢が出る代わり、少し白っぽい色味になります。
金具穴あけ
エッチングが完了したので、ここから真鍮板を金具に変身させていきましょう!
金具はクギ留めするので、クギ用の穴を開けます。目打ちをゴムハンマーで軽く叩き、ヘコミを作ります。そこまで厳密にやらなくてもいいかな~と、フリーハンドですが。予めマジックなどで印をつけておくと失敗しません。
こちらは輪郭が細く失敗できないので、印をつけています。だいたい一面につき2~3ヶ所ずつ穴を開けています。
改めて、穴開けです。先ほどのヘコミがあるおかげで、ドリルの先が滑らず狙ったところに穴を開けることができます。クギの径を測ったら1.3mmだったので、1.5mmのキリを使っています。
曲げ加工
平面を立体に仕上げていきます。
角がしっかり出ていて硬いものを土台に指で曲げ、玄翁(げんのう)でとにかく叩きます。宝箱本体はある程度面取りしているので、内側を完璧に直角出ししなくて構いません。
むしろ、先端などは心持ち内側に曲げ、全体的に少し丸みを帯びさせた方がいいかもしれません。ちなみに、曲げの補助には、タミヤのエッチングベンダーを使用してみました。
これで角金具の完成です!ばんざーい!!
蓋側の金具の作業
…と、喜んだのも束の間。
実は、蓋側につける金具を完全に忘れていました…。
気を取り直し…淡々と作業を進めます。基本的に同じ作業ですが、別の方法を試したりもしているので、もう少しだけお付き合いください。
カッティングシート ver.2
早速ですが、こちらのカッティングシートは線がものすごく細いため、真鍮に貼ってから抜きの作業を行っています。こちらの方が楽かも…!
細すぎて印刷機で上手く切れなかったところは、カッターで取り除いて油性マジックで修正します。
エッチング ver.2
ここからいきなりエッチングに入ります。
輪郭カットおよびマスキングは飛ばしてみました。裏にはカッティングシートの余りを貼っています。
腐食液は繰り返し使えると先述しましたが、そのぶん腐食のスピードは下がっていきます。今回はかなり使い古しの液なので2時間浸けました。
マスキングを剥がします。
キレイに剥がれていくのが気持ちいいですね!ここはぜひ、動画でご覧いただきたい!
真鍮カット ver.2
真鍮を腐食したら脆くなるから、そのあとカットすれば楽なんじゃね…?という発想に至り、このタイミングでハサミを入れました。
案の定、サクサク切れて楽しいです。角金具のように細いもので同じ効果が得られるかはわかりませんが、こちらの手順の方が断然オススメです。
あとは、カットで出た歪みを直し、金ヤスリでバリを取ります。
スミ入れ ver.2
今回は黒のラッカー塗料をうすめ液で2倍程度に薄め、筆でびたびたにのせていきます。
原液塗布に比べると、自然な発色に近づき、ムラが減るように感じます。面倒でなければ、少し薄めて試してみるといいと思います。
特に改善した部分もないので、ざっと流します。どんどん輝きが増すのが一目瞭然ですね。
こちらの金具も経年加工のため、家庭用漂白剤に1分半浸けました。色の変化を見てみてください。
金具裁断
不要な部分をカットします。
これらは蓋部分の装飾に使うので、直接本体に当てながらサイズを決めました。
アール加工
金具を蓋のアール(=曲面)に合わせて曲げます。
曲げたいもののアールより二回りほど小さいアールを用意し、ゆっくりと曲げていきます。
手で無理やり曲げると、アールではなく折れがついてしまいます。手は優しく押さえる程度、玄翁も軽いインパクトで大丈夫です。
クギ先カット
おまけ作業です。木材の厚みが9mmなので、貫通しないようにクギ先をカットしています。全体の半分くらいの本数をカットしました。
金具取付け
角金具
さあ、いよいよ金具を取り付けていきます!
木材が重なってる部分(または木口部分)は普通のクギ、面のみの薄い部分にはカットした短いクギを打ちます。
指だと押さえられないので、ペンチを使っています。この短さのクギがあれば、ぜひそちらを購入してください。
今回最大の誤算は、金具と丁番が干渉してしまったことです。丁番に金具が噛んで、蓋が閉まりにくくなってしまいました。まぁ、次回留め具を付けるので、あまり気にせずに進みます!(笑)。
角金具の曲げ部分などは特に、スミがひび割れたりしているので油性マジックで修正していきます。
蓋の金具
蓋の方にも金具を付けていきます。こちらは箱の強化というより、見た目が寂しかったので装飾用に作りました。
目打ちで中央の穴だけにアタリをつけ、そこをクギで留めてから残りの箇所を留めた方がキレイに仕上がります。
カットしたクギは先端が歪なため、ドリルで深めに下穴を開けてから打ってやります。
先ほどの曲げ加工では小さめの土台に打ちつけましたが、予めアールが強くついているぶんには、クギで押さえられます。アールが弱ければ打ち直し、しっかりと密着するようにつけます。
もし心配なら、多用途の両面テープで補強してもいいでしょう。
角度がついて打ちにくいですが、力を入れすぎると箱本体が傷つくので、焦らず丁寧に作業します。
あと…もう、ちょっと…!
完成品
やっと完成しました!
真鍮とはとても面白い素材ですね。ときに繊細に、ときに頑強な表情を見せ、金属でありながら、手の中で様々に姿を変えてくれます。そして、手を加えるほどに増す、深い黄金色。
真鍮の放つ黄昏の眩しさに、我々は遠い過去、あるいは未来を夢見る。
この動画、作業解説記事が、皆様の冒険に少しでも寄与できれば幸いに存じます。
作業動画はこちら
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エッチングの豆知識:輪郭処理の小話
もともと輪郭処理の工程は、金バサミ、糸鋸、電動糸鋸、腐食の4択で想定していました。今回は結果的に、一番機動力のあるハサミで切り進め、微調整に手動の糸鋸を使いました。
一応、電動糸鋸も試してみました。が、刃の上下運動が大きすぎるせいか真鍮板が持っていかれて、まともに切れませんでした。もし、上下動幅や速度を変えられれば、電動糸鋸がベストだったと思います。いいものが見つかれば入手したいですね。
真鍮を腐食液に長く浸けておけば、やがて裏側まで貫通させることも可能です。つまり、輪郭を溶かし出すことも不可能ではありません。
では、今回なぜそうしなかったのかというと。
真鍮の溶けムラのせいで、輪郭がボロボロしやすいからです。
また、腐食液もたくさん使うことになるので、別の選択肢を取りました。もちろん、抜き加工をしたい場合はその方法でいいかと思います。腐食後、研磨をしっかり行うことでカバーできるはずです。
これからもたくさんのクラフトを生み出しながら、様々な技法にチャレンジしてみたいですね!
あとがき
前回、スチームパンクな木製宝箱をつくるぞ!と思い立ち、まずは「木部編」として本体を作成しました。
▼前回の作業解説記事はこちら

さて次回は、遂に。遂に!本丸攻略です!
スチームパンクな木製宝箱をつくる「歯車機構編」乞うご期待!
こいつ、動くぞ…!