2022年1月に発売が予定されている最新作『ポケモンレジェンズアルセウス』の舞台となる時代設定をスチームパンク的視点で考察します!
先行公開された『レジェンズアルセウス』のPV、もう見ましたか?従来のシリーズと一線を画した斬新な世界観設定、待望のリアルエンカウント、そして物語の根幹に鎮座するアルセウス……もう、めちゃくちゃ楽しみです。
このPVの冒頭、非常に気になるものが映っていました。趣のある机の上に、和綴じの本と筆、そしてオイルランプの灯に照らされた――木製のモンスターボール?
さらに、公式さんのTwitterで気になる一言が。
蒸気ッ!!!
蒸気機関をもつモンスターボール。これはスチームパンカーとしては見逃せない重要な設定です。
しかし、本当に蒸気機関なのか?ということで、この木製モンスターボールの仕組みを割り出すための文明レベルをスチームパンクの視点から考察してみましょう。
2021.8.18追記:
新たに公開されたPV第二弾で新ポケモンや新リージョンフォームなど、物語の多くの要素が判明しました。最新情報を追記しながら、考察の答え合わせをしつつ、ポケモンレジェンズアルセウスの世界をより深く考察をしていきます。
物語の舞台は十八世紀末から十九世紀初頭の「文明開化~大正浪漫」辺りの時代ではないか
まず、結論から。
スチームパンクを愛するPOCHIは、「ポケモンレジェンズアルセウス」の舞台設定は十九世紀末から二十世紀初頭にあたる年代ではないかと推察しています。
具体的に言うと、1890年代から1920年代頃ですね。2021年の現代から逆算すると、ほぼ100年とちょっと前というイメージです。
そして、その時代とはまさにスチームパンク作品の舞台設定と一致するのです!
現実世界での産業革命は18世紀半ばから19世紀にかけて起こりました。そして、蒸気による文明がピークまで発展した約100年後、スチームパンクと呼ばれる世界観が完成します。
日本においては、明治から大正時代辺りが対象と考えられています。
この考えに至った時、スチームパンカーとしての好奇心と胸の高鳴りが止まらなくなり、こうして考察記事を綴っているわけです。
2021.8.18追記:
時代背景についての考察で、POCHIはレジェンズの舞台を「明治末期~大正初期頃」ではないかと予想しましたが。
ピンポイントで当たってましたね~!
まあ、この予想自体は多くの方が当たっていたようですが笑
前提
まず前提として、ポケモン世界と我々の世界は全く別物です。
というのも、『レジェンズアルセウス』作品内の年代を特定しようといろいろ調べたのですが、服装や街並み、登場する小物などの時代性および地域性が、わりとバラバラしていて、決め手になるものがイマイチ見つかりませんでした。
様々な角度から特定自体を拒むよう、巧みに(なのか、POCHIの知識不足なのか)時代や地域の要素がミックスされている印象を受けます。
そもそもポケモンでいえば、初代のゲームがリリースされた1996年と現実世界を照らし合わせた時点で、ポケモン転送システムなんかはどう考えてもオーバーテクノロジーですし、ポリゴンやタイプ:ヌル、マギアナのような生物は我々の世界には存在し得ませんよね。
2021.8.18追記:
PVの冒頭に現れた一文
『これは、まだ人とポケモンの暮らしが分かたれていた時代の物語。』
POCHIはこの文章にちょっと引っ掛かりを感じました。
というのも、シンオウは神話の時代からポケモンと人の距離が近く、とても親密に暮らしていたと思っていたからです。どうやら、神話とこの時代ではかなり状況が異なっているようです。
和洋折衷な服装や建物
2021.8.18追記:
まず新PVでPOCHIが興味を引かれたのは、和洋折衷の服装です。
主人公をはじめ、登場人物みんなお洒落ですね。ハイカラです。着物の上に毛皮のコート羽織ったデンボクさん(当時のギンガ団団長)が素敵すぎて!!
博士はかわいらしい帽子をかぶっていますが、白衣の下は紳士なスーツとブーツを着こなしています。
こういった組み合わせの着こなしは、やはり明治辺りの写真などに実際に載っていますし、和装の人と洋装の人が入り混じっている感じも明治っぽくて個人的に好きです。
シンオウの神話が漂わせる「アイヌ」っぽさ
思うに。シンオウの神話といえば「アイヌっぽい?」とぼんやりした共通認識があるうえで、より具体的な何かしらの要素を提示してしまうと、それはもはやポケモンではなくなってしまうんですよね。
開発側の狙いとしては、なんとなーく「北国に住む『神話の民』が、神々と密接に交わっていた時代のおはなしなんだなー」くらいの神秘的な世界観が演出できればOKなのではないかと。
2021.8.18追記:
今作の舞台となる地方は「ヒスイ地方」と明かされました。そして「このヒスイ地方は、やがてシンオウ地方と呼ばれるようになる」と公式サイトで明言されています。
「ヒスイ地方=シンオウ地方」として考察を続けて問題なさそうですね。
文明開化の香りが漂う机のシーンに注目
敢えて時代、というか世界観を特定しようとした場合、最も信用が置けるのは、やはり最初の机のシーンなのではないかと思われます。
ちなみにこのシーンは「この画面はゲーム内のものではありません」としっかり注意書きが出ています。
しかし。少なくとも、モンスターボールと共に映りこんでいた本や照明などは、開発初期段階での世界観の目安(基準と言ってもいいかも)となっていたはずです。そうでなければ、世界中の注目するPVの冒頭にこんな意味深な映像など流すはずがありませんよね。
ということで、具体的に要素のひとつひとつから読み解いていきましょう。
オイルランプ
まず、オイルランプ。これは、日本においては江戸時代末期にオランダから輸入が始まっています。
しかし、一般化したのは明治時代に入ってから。庶民が使えるようになるのは、もう少しあとになってからでしょうか。とはいえ、モンスターボールを開発するような研究者のもとには、案外かなり早くからランプもあったかもしれません。
和綴じ本=ポケモンずかん
お次は、和綴じ本。これ自体は平安時代からあり、非常に歴史の長いものです。映像に出ている本の糸を見ると、江戸時代に日本で流行した「康凞綴じ(こうきとじ)」になっています。
西洋型の製本技術が渡ってきたのは、やはり明治時代に入ってからです。
PVを見ると実は、西洋型の本が机の奥側に積まれているのが分かります。西洋型の製本技術が渡ってきたのは、やはり明治に入ってからです。洋書もとても高価なものでしたが、やはり高名なポケモン博士なら早々に手に入れていたはずです。
と考えると、あの机はシンオウ地方のどこかではなく「とある博士」の研究所なのかもしれません……。

あ。ちなみに「レジェンズ」では、この和綴じ本がポケモンずかんになるとPOCHIは考えています。あとで詳しくお話ししますね。
あと机にあるのは、硯と筆ですかね。これも、特にいつのものというわけではありません。
2021.8.18追記:
やはり、図鑑は和綴じ本スタイルでしたね。
個人的には、図鑑の新機能にかなり惹かれました。大きさ・重さがぴったりの数値ではなく、ばらつきのある表記で書かれていますね。まだ捕獲個体数が少なく、基準値が出せないということでしょうか。リアルでいいです。
また、「好きなエサ」という項目が新しい!
より現実の生態にポケモンが近づいてきた感じがします。ただ、鳥ポケモンの場合はエサ欄にキャタピーのアイコンが出ていたら、ちょっと怖いですが笑。
現時点で評価が分かれているようですが、細かな戦闘データも、やりこみゲーとしては面白いアイディアだと思います。
出現するポケモンの種類がかなり判明した今回のPV。しかも、新ポケモンやリージョンフォームも判明して、いよいよポケモン図鑑の完成が楽しみになってきましたね!
和洋折衷が匂うモダンな机
机といえば、この机本体も考察対象に入ります。見たところ、日本で古くから使われていた文机というよりは、椅子に座って使う西洋机のようです。
絶対ではありませんが、もし文机であれば縦に並ぶ抽斗は左右どちらか一列である場合が多いです。正座はもちろんですが、胡坐をかいたときに当たらないよう広めにスペースが設けられていたという説があります。
この机の持ち主、和洋折衷好きの、なかなかモダンな方だったようですね。
ということで…。
やはり「文明開化~大正浪漫」辺りを想像するのがよさそうです。
また、机の上にあったあの木製のモンスターボールについては別記事でより深掘りして考察してみました。こちらもぜひ読んでみてください。

PVで使われた「遥か昔」という言葉
時代を考えるうえでもう一つ重要なのが、PV本編にて言及されていた「遥か昔」という表現。
この言葉を聞いてイメージするのは、それこそ神話の世界ではないでしょうか。強いて言うなら、それは邪馬台国などのいわゆる古代、奈良や平安、もっともっと下ったとして江戸時代以前が限度と言えます。
しかし、こればかりはいくら言っても仕方ありません。なんせ、あちらの世界はこちらと文化体系や文明の発展速度がかなり異なっている様子ですから。
ひとまず「遥か昔」については、「神話が息づく世界観」「今とは異なる、人とポケモンの関係性」といったものを強調する形容詞程度に考えておくことにしましょう。
2021.8.18追記:
物語の冒頭、旅に出る主人公に意外な言葉が掛けられます。
『ポケモンとは恐ろしい生き物』
物語の途中でも、深刻そうな顔をしたラベン博士が同じような発言をしています。
…本当でしょうか?
しかしPVの後半に答えが出てきます。空を覆う、怪しい光。そして、突如として狂暴化し、人を襲いだすポケモン!こわっ!!
どうやら、今作ではポケモンが「恐ろしい」存在として認識されているようです。
一方で注目したいのは、今回新たに判明した「アヤシシ」というポケモンの説明。
「人々の生活と結びつきが強く、この地では古くから大切に扱われてきた」という文言が載っています。
アヤシシの抜け毛は防寒着に使われている、という旨の話もあり、ヒスイ地方でも決してポケモンと人が断絶して暮らしているというわけでもないようなのです。
PVから推察すると、ポケモンを「恐ろしい」と見做して語るのはギンガ団や博士の主張にすぎないのかもしれません。まずはギンガ団員となり、ポケモンの調査を進めるうちに認識が改まる可能性も充分にあります。
ここからどのように物語が進んでいくのか楽しみですね!
とはいえ、ムラの正面に聳え立つ見張り台は、やはり狂暴化したポケモンから人々を守るため…?
歴史のなかで、断続的にポケモンの狂暴化が起きているのかもしれません。
ポケモンレジェンズアルセウス考察解説動画
YouTubeにポケモンレジェンズアルセウス考察解説動画をアップしました!
時代背景やモンスターボールの謎、木製モンスターボールの蒸気機関についてスチームパンク視点で考察します。また、今作に登場するポケモン博士の正体にも迫ります。
ぜひ、高評価ボタンとチャンネル登録で犬小屋軒YouTubeチャンネルを応援していただけますとすごくすごく励みになります!!よろしくお願いします!
あとがき
今回は「ポケモンレジェンズアルセウス」の舞台となる時代をスチームパンク的視点で考察解説してみました。これはあくまでスチームパンクを愛するPOCHIの個人的な思いが詰め込まれた考察です!
今後、詳しい時代設定や文化背景なども公式から発表されるかもしれません。
この予想と全く違っていたら、はははと笑ってやってください。そして、やさしく肩を叩いてやってください…。
2021.8.18追記:
新情報が満載だった、今回の『ポケモンレジェンズアルセウス』PV第2弾。
考察の正誤もさることながら笑、未だヴェールに包まれたままのアルセウスがとにかく気になります! 続報が待ち遠しい!
発売までの数か月、考察をしながら楽しく待ちたいと思います。
ポケモンとスチームパンクを愛する人が夢と冒険の世界を楽しむエッセンスのひとつとして、この記事をお楽しみいただけましたら幸いです。
それでは、旅の幸運を!